各たより

心情円グラフもこうすると・・・ ~道徳・1年生~

 木曜日①限は道徳授業です。1年生の教室をのぞいてみました。

 ある日、タマゴマン(教材ではこのような仮の名前で表現されていました)が下校しようとしたところ、靴箱に外履きがない。探してみてもない。先生に相談し、取り合えず内履きを履いて下校した。「いやがらせ?自分はいじめを受けたの?」と、タマゴマンの気持ちは晴れません。そして、その気持ちを抱えたまま、両親にも話しませんでした・・・

 しかし、会社から帰宅した父は、タマゴマンが履いて帰ってきた内履きを見て、すぐ事態を察するのでした…

 このような状況で、家族の思いや家族の存在、子供の辛い気持ちについて考えていきました。

 「こんな時、あなたなら親に相談する?しないその理由は?」

 と、担任は問いかけます。心中は複雑ですよね。相談したい、悲しい気持ちを分かって欲しい。でも、親に心配をかけたくない。人の気持ちは常に、物事100%に考えていないのです。人の複雑な気持ちを可視化するのに、道徳教育の先人たちは、様々に工夫を重ねいろんな教材を開発してきました。その一つに「心情円グラフ」があります。私たちが担任の頃は、色の違う画用紙で円を創り、切り込みを入れて重ねて、心の気持ちの割合を2色で示し、生徒たちに伝え合いをさせたものです。

 今では…

 担任の工夫で、タブレットのペイント機能で円をグラフに見立てて、そこに気持ちを書き込んで、みんなで見合える様にしています。作業は、一瞬です…

 タブレット、デジタル化は本当に使いようによっては、素晴らしい道具だ、と実感します。画用紙を切る時間はもういらないのです。ただ、デジタル化はあくまでも、効率化を図るもの。今回も一番大切だったのは、「家族の思い」それぞれを考えること。自分と同じような考えを持つ仲間、違う考えを持つ仲間、それぞれの思いを知り学び合うこと。

 「自分はつらい。でも、お母さんは私のことを愛しているから、自分以上に心配し辛い思いをするだろう。そんな辛い思いをっさせたくない」

 こんな気持ちでいる生徒の心は、とてもとても尊い。道徳の時間は本当に素晴らしい時間です。

             ↓ かつての「心情円グラフ」