学校の様子

2020年4月の記事一覧

今こそ「三余」の精神を学びましょう(その3)

4月28日 藍沢南城の教え
南城は、北条に住む、一人の教師としての自分のありようを
「友人に答ふる書」という手紙の中で述べています。
近江(今の滋賀県)の聖人と称えられた教育学者(中江藤樹)のように
村全体を教え導いた人でも、後を継ぐ人がいなければ、
その努力はその人の死とともに終わってしまいます。
南城は、「自分のような教師が、地域全体の教え導くことはできない。」
「教師としてするべきことは、生徒がよく書物を読めるようにすることである。」
と考えました。
簡単なものから、順をおって難しいものが読めるように指導すること。
生徒たちは、一冊の本を読み終わると、興味がわき自信が付いてきて
もっとやりたいと言う気持ちになります。
そういう心を助け伸ばしてやるのが教師の役目であると述べています。
それぞれの人によって進み方が違います。
長い時間続く人もあれば、途中でやめる人もいます。
休業中の今は、これまでのように北条小学校の子供たちのそばで、
勉強を教えることができません。
今、みなさんの手元にある教科書を開いてみましょう。
かんたんなところ、おもしろそうなところからでよいです。読んでみましょう。
読んで分かったことを自分の心の中で確かめましょう。
それをノートに書いてみましょう。
分からないところは、おうちの人に頼んで、
学校に電話をしてもらってもよいです。
今こそ、「三余」の精神を学び、本を読んで学びましょう。

今こそ「三余」の精神を学びましょう(その2)

読書三余

藍沢南城が創設した私塾「三余堂」の「三余」の出典は、「魏志(中国)」の古典『魏志・王粛伝』です。
昔、魏志のくにに薫遇(とうぐう)というすぐれた人物がいました。

飾りけがなく無口、実直で素朴(そぼく)な人物でした。
若い頃は、兄の季中と田を耕し、品物を売り歩いて生活をしていました。
常に書を身に持っていて暇ができると書物を習い読んでいました。
後に、くにの財政や物資・穀物を司る大司農(財務大臣)になりました。
ある日、薫遇に学び、教えを求める者があらわれました。
薫遇はすぐに答えを教えようとせず、
次のように教えました。
『読書百遍 義(ぎ)自(おの)ずから見(あら)わる』
人に答えを聞く前に、書物を何百篇も読みなさい。
本を百篇も繰り返して読むとその意義が自然と分かるようになるという教えでした。
教えを求めに来た人は、
「私には、書物を百回も読む暇がありません」と答えました。
すると、薫遇は、次のように教えたのです。
「時間がないとは言っても、三余があるでしょう。」
「冬は一年の余り、夜は一日の余り、雨降りは時の余りである」
余は自由に使える時間という意味です。
農業が生活の基本である人にとっては、
農作業の忙しくない季節である冬と、
一日のうちでは夜と、雨降りの時が余りの時間になります。
さて、冬、夜、雨は自然がくれた学ぶ時間です。
今は、さらに休業で、自由な時間があります。
今こそ、「三余」の精神を一人一人がしっかりと考えて、
自分の時間を大切に過ごしてほしいです。

今こそ「三余」の精神を学びましょう

 藍沢南城は江戸時代(今からおよそ210年前)に生まれました。
若いときは江戸で勉強して、28才の時に南条に帰り、翌年29才で八石山のふもとに私塾「三余堂(さんよどう)」を開きました。
そして、たくさんの人に学問を広めました。
塾を開いてから亡くなるまでの41年間で707名もの入門者があったそうです。
南城がなくなってからも塾は続き、50年以上の間で940名もの入門者があったそうです。
「人間その気になればいつでも学問はできる。」という意味から、
塾の名を「三余堂」としました。 
「三余」とは、読書に最も適した時間のことです。(北条町史より)
〇冬(年の余)
〇夜(日の余)
〇雨天(時の余)
 時を無駄にせず、学問に心がけよという意味です。

3年生以上に配られた「わたしたちの柏崎」には、藍沢南城先生のことが取り上げられています。パソコンでも「わたしたちの柏崎」「柏崎Webミュージアム」で調べることができます。

自宅で過ごす今は、つまらないことと考えず、今こそ南城の教えに習い、
教科書や本を読み、書いて考えを深める時です。

「三余堂」の上棟式には、完成までの苦労と未来への希望を南城は次のように述べています。
若い南城の文学的才能の高さを示す優れた作品と言われています。

一つまみの土も積もれば山になり、一滴の水も集まれば大海となる。人の志も同じことで、ひたすら変わらず努力を続けることにある。
よい土地を選び、家を建てるために、丘の上を開拓し、池を作って楽しめるようにした。
軒が高いから日当たりもよく、谷は深いから流れも早い。
特に立派な建物ではないが、隠遁して暮らす楽しみはある。
家の東は山と青松に囲まれ、西は米山や豊かな田園があり、
南は瀧があり、北には広い空の彼方日本海が見え、
上には日や月が輝き出すであろう。
この家の下ではこれから少年たちの灯火を囲んで読書に励む姿が見られるであろう。
最後に、家族や塾の幸福と繁栄を祈る。(柏崎市史中巻より)

毎日の少し少しの時間が大きな結果となります。
自分の生活を工夫して、よい時間を自分でつくりましょう。

4月20日 第二次臨時休業が始まりました

4月20日 再びの休業となりました。
本日は、20名弱の子供たちが、学校に来ました。
体育館で、体を動かしたり、教室でプリントを使った学習をしたりしました。
給食は、これまで以上に間隔を空けながら食べました。
送迎してくださった皆様、
家庭で、子供たちをみてくださっているご家族の皆様
本当にありがとうございました。
明日からも基本的には休業ですが、
各家庭で無理のないように対応をお願いします。

4月16日 しっかり聞く、読む、自分の考えをもつ、発表する

4月16日 6年生社会科の授業をしました。
「ともに生きる暮らしと政治」の学習です。
教科書には、オリンピックの発祥やパラリンピックが生まれた経緯が書いてありました。今後、だれもが暮らしやすい町や社会を考えていくだめの入り口となるところです。
はじめに、教科書をすみからすみまで読むように伝えました。年表や地図の地名、写真の説明まで読ませました。「えーここも読むの」と驚きながらも、一生懸命取り組むところが北条小学校の6年生の素晴らしいところです。
次に、読んで分かったこと考えたことをノートに書くように言いました。友達の書いたもの参考に書く子、カツカツと鉛筆の音をさせながら熱心に書く子、あっというまに5つ6つ書く子、どの子も熱心い書いていました。
さて、どんなことを書いたのか発表する場面です。「分かったこと考えたことを前に出て、黒板に書いてください。」と言いました。すると、1人がさっと手を挙げました。素晴らしいです。しばらく間をおき、3人手が上がりました。すばらしいです。次に女子が,数人立ち上がりました。そしてまた男子が前に進み、12人の子が自ら前に出て自分の考えを書きました。一人一人が書いたものを発表して授業は終わりました。このように、しっかり聞いて、読んで、たくさん書いて、発表することができる6年生は、すごい力をもっている6年生だと思いました。