学校の様子
人権について考える ~差別に気付く力 差別をしない許さない心~
12月は、人権について考える月間です。
先日の2年生の取組に続き、1,3年生が道徳で人権について考える授業を行っていました。
1年生は、県のホームページを見ながら、世の中に差別を受けている人たちがどのくらいいるのかどんな差別があるのかについて学び、今も根強く残る同和問題(部落差別)を取り上げました。
様々な法律が出来ているのに、今なおなくならない。過去のことではなく、今の問題でもあること、どこか遠い場所の問題ではなく、新潟県にもある問題なんだということを踏まえて、「差別をなくす」ためにどうしていくのかを真剣に考えました。「自分ごと」をキーワードに、問題を傍観することなく差別を受けて辛い思いをしている人たちの心に寄り添う視点で考えていきました。
3年生は、義務教育終了を目前として、やがて自分たちも通る道である就職、その差別にについて考えました。世の中にそんなことがあることに驚きつつ、主人公の思いをくみ取った生徒たちからは、怒り」や「やるせなさ」が語られていました。
この時間だけで終わる学習ではありません。1年生については、まだ学習の入り口にすぎません。授業者は「この大変な問題を知らない人がこんなにもいることこそ、問題だ」と、県の統計グラフを見せながら話していました。まず、差別の現状をしっかりと知ること。そして、それをスタートに人権侵害について決して他人事ではなく自分事として考えていくこと。すべての差別がこの世の中から無くなるまで、人権教育に終わりはありません。
第2回 キャリア講演会 ~3年生~
夢や目標をもって、社会でたくましく生活している方々をお招きして自分の生き方を考える機会とする、3学年の第2回キャリア講演会が開かれました。
今回は、車椅子バスケットボールの選手である、新潟WBCの松川様から御講演いただきました。
松川さんは、かつてはサッカー少年だったこと、事故による骨折で脊椎損傷となり下半身が自由にならないこと、車いすバスケットボールとの出会いなど、お話しくださいました。車椅子の助けはいるが、自動車の運転もできるし、仕事を持ち健常者と変わらない生活をしていること、バスケットに向かう情熱あふれるお話に、生徒たちは真剣に聞き入っていました。逆境に立ったとしても、何事にもあきらめずに挑戦する姿勢、物事をプラスに考えていく大切さを学びました。
体育館で、車椅子バスケットの体験もさせていただき、その大変さを知るとともに、車椅子を自在に操り自分を鍛えて素晴らしいシュートができる松川さんのすごさに驚いていました。社会では多様な人々が生活をしていること、そして共生の視点でお互いを尊重し助け合って生活をしていく大切さを肌で感じる機会となりました。
松川様、本当にありがとうございました。
受け継ぐ・繋ぐこと ~第2回マイキャリア講演会 1年生~
1学年のマイキャリア講演会も第2回目となりました(1回目は残念ながらお聞きすることが出来ず、話題にできませんでした・・・)。
今回は、東柏崎駅近くの和菓子の老舗とらや(ToRaYa)さんの三代目の上野宏太郎様をお招きし御講演いただきました。上野様は和菓子屋に生まれながらも家業を継ぐ意思はなく、埼玉の大学に通っていたそうです。聞くところによると、教員免許取得を考えていたそうです。しかし、親の介護をしながらも必死に働く両親の背中を見て、「自分が力にならなくてはいけない」と考え、大学を中退し家業を手伝いだしたのだそうです。
2020年からは、新規事業としてカフェスペースを立ち上げたそうです。お店経営の実績も知識もない中、しかも会社員との二足の草鞋を履きながら必死に会社経営について学び、また新たなメニューの開発や事業構想を立てるという多忙な日々を送っているそうです。
生徒たちからもたくさんの質問が寄せられました。
働いていて一番うれしいことは?との問いに、「やはりお客さんに喜んでいただけた時」と、話されました。業績が良い時も嬉しいけれど、何よりお客さんが笑顔でお菓子を食べておいしい、と言ってくれた時、自分がその方にとって少しは役に立てたのかな、と感じる時が、何といっても嬉しいのだそうです。
働く、ということはまさにそういうことだ、と私も共感しました。一年生にとって大変勉強になったご講演でした。
上野様、大変ありがとうございました!
拉致で失ったもの 夢と絆 ~人権講演会~
1948年12月10日、第3回 国際連合総会で「世界人権宣言」が採択されて以降、12月は人権について考える月となっています。本校でも心プロジェクトに続き、蓮池薫さんをお招きした人権講演会を開催しました。
1978年大学3年生の時に、柏崎の中央海岸で北朝鮮に拉致されてしまった蓮池さん。その後24年間家族と引き離され、やりたいこともやれない、未来そのものを失ってしまった辛い日々を過ごされました。「家族を失い、夢を失い、希望のない日々を過ごした。死にたいと思ったこともあったが、ここで死んでたまるかという気持ちで必死に生きた」と語る蓮池さん。生徒たちは、想像もできない壮絶な人権侵害が、自分たちの住む柏崎で起きたことに、大変な衝撃を受けていまた。死にたいと思った蓮池さんでしたが、生きるためには情報を知らなくてはならないと一念発起し、ハングル語を必死で勉強した、ということです。数か月後には、向こうの人の会話がある程度理解できるようになったというから、さすがです。そして、身に付けたハングル語を活用し情報を集め、いつの日か日本に戻れる日を待ったのです。
3年生が蓮池さんに「一番辛かったことは何か?」と質問をしました。蓮池さんは「自由がないこと。夢を見ることが出来ないこと。家族との絆を奪われたこと。そう、私は野球ができないことがとってもつらかった。私は、野球が好きで野球がしたかった。しかし、向こうにはもちろんグローブもバットもないんです。」この言葉に、生徒たちは「夢や自由がないこと」「今ある自分たちの生活が当たり前ではないんだ」ということを悟りました。
「この問題は終わったことではない。まだ、帰って来れない人たちがいる。今も続いている問題なのだということを忘れないでほしい」「夢や家族との絆がある、ということは当たり前のことではないんだ」そして、最後に「拉致問題について、北朝鮮の国民を憎むようなこと、ヘイトのような思いは持ってはいけない。そのような犯罪行為をしたのは国家の上層部、一部の人たち。政治体制を非難することはあっても、普通に暮らす北朝鮮の方々や日本に暮らす朝鮮の方々やその子孫の方々を恨むようなことは絶対にしないでほしい」とお話しくださいました。正にその通りでした。
今も続く問題と意識し、このことを忘れないこと、相手に対して言い続けていくことが大切で、それなら我々にもできることだと感じました。蓮池さん、本当にありがとうございました。
令和5年度の西山中の創造 ~生徒会役員選挙に向けて~
12月は、次年度へ向けて新しいリーダーたちが誕生するお時です。
12月8日に生徒会役員選挙が行われますが、その日に向けて候補者たちは「自分たちがどんな西山中にしていくのか、伝統をさらに磨きどうやって新しい西中文化を創造するのか」を有権者である他の生徒たちに知ってもらえるよう活動をします。朝から元気なあいさつ爽やかな笑顔で、生徒たちに働きかけが始まりました。活気にあふれる、良い朝、12月の始まりです。一人では寂しい朝も、仲間と共にあいさつに立つことで、とても元気な朝になる。春先に生活委員会が朝のあいさつ運動に取り組んでくれていましたが、良いことは誰がやっても「良いこと」なのです。
このような、素晴らしい取組を愚直にずっと続けていく大切さ、一日の小さな積み重ねが振り返ると大きな価値となっていくことを学んでほしい。そして、選挙はきっかけであり、その時で終わりではないことこそ、候補者・応援者、何より有権者である生徒たちみんなに感じてほしいものです。