2024年12月の記事一覧
世界の果てから、日本を見つめて ~2年生・生き方講演会~
2年生の生き方講演会が開かれました。
講師は、長岡市国際交流センターのセンター長を務めていらっしゃる羽賀友信さんです。
羽賀さんは、獣医師で、世界66か国を訪問。特に、貧困地域や戦争下で大変な生活を強いられている方々への支援活動を行ってきた方です。アフリカや中東諸国など、今でも政情は大変不安定で、その支援の方法等について、日本政府からも羽賀さんに相談が、今でも、きているそうです。
まさに、世界を知る羽賀さん。しかし、その口調はとても優しく易しい言葉を使いながら、中学生に話しかけてくださいました。
ブータンの人々の慎ましくも高い精神性をもった生き方について。
「3000mの高山に都市があるブータン。とても寒いです。しかし、国王や大臣はストーブに火を入れません。どうしてだと思いますか?」と、問います。ぽかんとする、中学生。「人々が燃料が足りず寒い思いをしている。自分だけが、温かい思いはできません」、と理由を話してくれました。「ブータンでは、偉いというのは権力や財力があることではなく、人々の模範となる人たちのことをいうのです」というお話は、私にも響きました。
羽賀さんはいろいろなスライドを見せて、様々な国について話してくれました。
「楽しそうに泳いでいる子供たち。プールですか?違いますね。池でしょうか?これは、ソビエト今のロシアが撃ち込んだミサイルで陥没した穴に、水がたまったものですよ」とアフガニスタンについて話してくれました。
「これは何かわかりますか。外ですね。屋根がないですね。黒板もないですね。学校です」と、アフガニスタンの学校の様子。「でもね。彼女たちは言うんです。学校に行きたい。学びたい。学べる私たちは幸せだと」。
「この赤・白の石は何かわかりますか。赤い石の方に入ってはいけないという印です。そちら側は、地雷が撤去されていないんです。」2年生たちからは、声も出ません。寝ている生徒など一人もいません。真剣に、スライドに、羽賀さんのお言葉に向き合っています。
これだけでも、羽賀さんが三中生徒に出合わせた事実は、とてつもない力があったと思います。当たり前のような日本人の生活は、全く当たり前ではないんだ、ということ。そのことを実感しそのことを大切にしながら、そうではない人たちのことを考えられるようになることは、とてもすごいことです。単純に年齢を重ねてもなかなか感じられないこと。そんな大切なことを74歳の羽賀さんは、生徒たちに伝えてくれたのです。
「なぜと考えること、論理的な思考はとても大切です。自分が何かを話すとき、『なぜなら、〇〇〇~』という癖をつけると良いですよ。そして、同情ではなく、その人たちの思いに共感する心を持ってほしい。同情は他者をかわいそうと思うこと。何ら行動にはつながりません。共感とは、その人の立場が自分だったらどんな気持ちだろうと想像する力。そうすると、何とか力になってやらなくては、と行動が生まれます。そんな行動力を身につけてほしいです。」冗談めいて、自分の遺言だよ、とおっしゃる羽賀さんの優しい笑顔が忘れられません。
アフガニスタンの女子生徒が言ったように、「学ぶことは、自分が一人で生きていけるようになること。学校は、自分に力をつけてくれるとても大切な場所」。この言葉は、私の心にも突き刺さっています。生徒たちとともに、大事にしていきます。
羽賀さん、本当にありがとうございます。生徒たちは、羽賀さんの言葉を心に灯していってくれるでしょう。